夏に裸足でフローリングの上を歩くと、汗ばんだ足裏が床にペタペタとくっついてしまう。
そんな不快な思いをしたことは、ありませんか?
そんな夏の足裏を、さらりと快適にしてくれるのが無垢の床。
寒い時期には「無垢はあたたかい」などといいますから、「なぜ?」と矛盾を感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。
実は、無垢の床は季節に合わせた働きができる、とても気配りの上手な素材なんです。
その秘密は、無垢の『調湿作用』にあります。
太陽の光を浴び、地面から水を吸い、呼吸をしながら育つ木々。その木をそのまま切り出したのが、無垢材です。
もちろん、成長はそこで止まりますが、木は無垢材として出荷されたあとも呼吸を続けます。
蒸し暑い日には湿気を吸い、寒く乾燥する日には湿気を吐きだす。
こうして冬の寒さを緩和するとともに、夏のじっとり汗ばんだ足裏もさらりと湿度調整してくれるのです。
また、木に含まれる芳香成分『フィトンチッド』も、夏場の足裏にうれしい効果をもたらします。
フィトンチッドは、動くことのできない木が菌や細菌、汚染物質から身を守るためにつくり出す物質で、抗菌作用や空気を浄化する効果を持っています。
無垢材になってもなお、その効果は持続し、汗による菌の繁殖や消臭に効果を発揮してくれるのです。
床で過ごすことの多い小さなお子さまやペットがいるご家庭では、とくにうれしい効果ですよね。
さらに、木の香りにはリラックス効果も。
自然のなかを歩いていると、なんとなく心が癒されますよね。あれも、フィトンチッドの作用であると考えられており、血圧を下げたり、ストレスホルモンの分泌を下げたりと、医学的にもその効果は証明されています。
快適な足もとをつくる、無垢の床。
その働きは目には見えづらいものですが、心身ともに健やかに暮らせるよう、いつでもそっとご家族を支え続けているのです。