代表兼大工を務める私は、中学を卒業してからすぐに大工の修行を始め、つかした建築を起業するまでに会社員としての大工・メーカーの下請けとしての大工を経験してきました。その中で、予算や工期ばかりが優先され、本当に家に大切な事が疎かにされている場面をたくさん見てきました。施工する本人が現場で改良点に気づき、お客様のためにより良い提案をすることができないというどちらにとっても満足出来ない家を造っているようであれば、本当の意味でお客様に喜んでもらえるわけがない。そんな想いが日に日に大きくなっていきました。ならば自分で妥協の無い家造りをしようとつかした建築として起業しました。
誰にとっての家づくりか？それはどこまでいっても、お客様のため。お客様のお子さんの代まで末長く、安心して住まい継いでもらえるような家を建てようと思っています。

つかした建築の家造りの特徴の一つには、「自然素材」を使うというこだわりがあります。天然の漆喰や無垢材といった健康に良い住空間をつくることができる自然素材に着目したきっかけは、「親戚の子の喘息」でした。その子の家を建てる際に家として何か出来ないかと考え自然素材に行き着きました。
実際に建てた家で暮らすその親子は、親子ともにアレルギー体質だったのが、今は健康に問題なく暮らしてくれています。誰しも起きる可能性が少なからずあるのが、アレルギーや病です。どんなに前向きに暮らしていても体の調子が悪ければ何事もうまくいかなくなるという経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。普段は気にしていない、自分の体のこと。住まう家で、その環境は大きく変わります。

例えば、小さなお子さんが口にするものの安全性には気を使うように、家にも自分たちが何を大切に家づくりをしていくかのわかりやすい判断基準をお打ち合わせの中ではお話ししていきたいと考えています。

一世代が住めればいい家ではなく、二世代、三世代と長く住み続けられる家。
将来、子供が成長し帰ってきても変わらない価値。帰って来たくなるような家や地域。
新しいものも良いけれど、長く住んだこの家の方が好きと思えるような飽きのこないシンプルなデザインの家。

つかした建築の家は建てて終わりではありません。代が変わっても住み続けられる家です。自分は年老いて現場を離れる時が来ると思いますが、後を任せられる大工を育て「家守り」として残り続ける工務店でありたいと思います。