前回、板張りの外壁について少しお話させていただきました。
https://tsukashita-kenchiku.com/all/865/
木材は経年によって色を変えますが、その変化を気にしなければ基本的に手入れは不要。ランニングコストも手間もかからない、とても優秀な素材です。
これまで弊社では、屋久島の杉を外壁材に用いてきました。
しかし、今後は少し方針を変えて”長浜の杉”を使っていきたいと考えています。
これまでも構造材には長浜の杉を使用していましたが、市産材の使用にあたっては、長浜市の『地産地消』促進を目的とした支援制度により、補助金が交付されます。
木材の地産地消には、実は多くのメリットがあります。
そのひとつが、長浜市の地域経済の活性化。
市産材の使用が増え、地域の林業が盛んになれば木々の伐採も進み、良好な森林環境が整えられます。
さらに、輸送距離が短くなることで二酸化炭素の排出量が軽減され『脱炭素社会』にも一歩近づきます。
弊社ではもともと国産材を使用していたこともあで、数年前のウッドショックでも大きな影響を受けることはありませんでした。
耐蟻性が高い、日本の気候風土に合っているといった点も、国産材の強みです。
屋久島の杉から、長浜の杉へ。
国産材から市産材への移行は、より地域の気候風土に適応しやすいという意味でもメリットは大きいと考えます。
そして何より、その土地で育った木材を使うことで、いっそう我が家に愛着が沸くのではないでしょうか。
新潟では、地域の工務店が一丸となって地元産の木材を外観に使用するという取り組みが行われているそうです。
私も新潟を訪れた際に板張りの家が建ち並ぶ様子を目にしましたが、それは古き良き日本を思い起こさせてくれるような、素晴らしい光景でした。
工務店が本気になれば、こうした美しい街並みをつくることも可能なんですね。