蝉の声が響く夏の朝。休日など、少し寝坊して目覚めたとき、室内の暑さに驚いたことはありませんか?
総務省消防庁の統計によると、熱中症による救急搬送の約4割が自宅で発生しており、室内でも十分な注意が必要です。とくに朝は就寝中の水分不足と高い室温が重なり、起きがけから熱中症のリスクが高まることも――。
住宅の断熱というと、どうしても冬の寒さ解消に意識が向きがちですが、このような夏のリスクを回避するためにも断熱性の向上は必須。
住宅の断熱材には、大きく分けて3つの種類があります。
まずは、繊維系断熱材。
これには無機繊維系のグラスウールやロックウール、有機繊維系のセルロースファイバーや羊毛といったものが含まれます。
次に、発泡プラスチック系断熱材。
ポリスチレンフォームやウレタンフォーム、フェノールフォームなどがあります。
そして、自然素材系断熱材。
有機繊維系と重複する部分もありますが、セルロースファイバーやウール、木質系断熱材、炭化コルクなどが挙げられます。
つかした建築では、コストパフォーマンスにすぐれた高性能グラスウールと、とくに夏の暑さに対して効果が高い木質繊維断熱材を併用しています。
一般的な断熱材は、『熱伝導率』をできるだけ低くし、熱の移動を抑えることが主目的となっています。しかし、木質繊維断熱材には『熱容量』が大きく、熱をゆっくりと伝えるという特性があり、夏の強い日差しで屋根や外壁が熱せられても、その熱が室内に届くまでに時間がかかります。
具体的には、外壁表面の温度がもっとも高くなる午後2時頃の熱が、室内に影響するのは夕方以降。ちょうど外気温が下がり始める頃に室内への熱の影響がピークになるため、結果として室温の上昇が抑えられます。
つかした建築で使用している、ドイツ製の木質繊維断熱材『STEICO(シュタイコ)』は針葉樹の繊維を主原料とした断熱材で、上記のような性質により、真夏でも森の中にいるような、ひんやりと涼しい室内環境をつくり出すことができます。
また、木質繊維断熱材は調湿性能も持っているため、湿度の高い夏には、湿気を吸収して室内の湿度を調整してくれます。これにより体感温度が下がるため、快適性はさらに向上します。
長浜の夏は、琵琶湖からの湿気と強い日差しで、蒸し暑さが厳しい地域です。そんな気候だからこそ、断熱性能だけでなく調湿性能を持つ断熱材の効果を実感できます。
朝起きたときの室内の涼しさ、夕方帰宅したときの快適さ。ぜひ、木質繊維断熱材で実感してください。自然の恵みを感じながら、心地よい夏を過ごしていただけると思います。