大手ハウスメーカーの多くは、家を建てたあとの『長期保証』や『定期点検』といったアフターフォローにも力を入れています。
具体的な内容はわからないけれど、「なんだか安心そう」と感じる方も多いのではないですか?
しかし、単なるイメージに惑わされず、まずは具体的なフォローの内容をしっかりと把握し、見極めることが肝心です。
新築住宅には、『住宅の品質確保の促進等に関する法律』(通称、品確法)により10年間の保証責任が義務付けられています。
これについては、大手ハウスメーカーも地域の工務店も同じ。
ただし、この10年保証の対象となるのは、家の基礎や柱、壁などの主要構造部と、屋根や外壁、開口部などの雨漏りしやすい部分のみ。不具合があれば、無償で補修することが定められています。
これに対し、長期保証は各社が独自に設けている制度で、20年、30年、長いものなら60年と、保証期間は会社によってさまざまです。
こちらも対象となるのは、主要構造部と雨漏りのみ。
ここで注意していただきたいのが、長期保証の条件として、定期点検とともに“有償のメンテナンス工事”が必要であるという点。
家は、立地や環境、住まい方によって傷み具合が違いますから、定期点検の時点では何の問題もないこともあるでしょう。
それでも、決められた工事をしなければ保証を延長することはできません。
結果的に、長期保証があることでメンテナンス頻度が高くなり、ライフサイクルコストが大きくなってしまうというのは、よくあること。
つかした建築には、『長期保証』や『定期点検』といった制度はありません。
お客さまから相談があれば飛んで行き、必要に応じてこちらから声をかける。不具合が出れば早急に対処する。
そんな、昔ながらの町の工務店としてのお付き合いです。
しいて言えば、お引き渡しの3か月後に換気システムのお手入れ方法を説明に伺い、そのときに漆喰にひび割れがないかどうかなど状態をチェックするくらいですが、手直しが必要だったことは今のところありません。
クロスのめくれや合板フローリングの傷はどうしても目立つし気になりますが、漆喰や無垢のような自然素材は多少の傷や凹みもそのまま味になります。
それが、「経年変化を楽しむ」ということなのでしょうね。