つかした建築には、私のほかにふたりの自社大工が在籍しています。
まず、大工歴43年の大ベテラン。
私が大工になるきっかけとなり、一人前になるまで育ててくれた父です。
そして、もうひとり。
こちらは業界でもめずらしい、女性の大工さん。
つかした建築を立ち上げて、仕事が軌道に乗り始めた頃。
人員を増やすため「どこかに大工さんいない?」と聞いてまわったところ、「ひとりいるよ」と親戚の子が紹介してくれたのが、彼女でした。
会って、初めて女の子だと知ったのですが「経験もあるし、大丈夫だろう」と、来てもらうことになりました。
彼女には20歳のときから3年ほど働いてもらいましたが、結婚・出産といった大きなライフイベントがあり、しばらく休職。
一昨年ようやく復帰して、今また時短勤務で一緒に働いてくれています。
大工といえば、力仕事や危険をともなう高所での作業もありますから、なんの心配もなかったかといえば嘘になります。
しかし、今となっては当社に欠かせない戦力のひとり。
まだまだ子育て半ばのお母さんですが、子育てと仕事を両立しつつ、「設計もできるようになりたい」と、勉強も怠らない努力家です。
つかした建築に家づくりをご依頼くださるお客さまの多くは、子育て中のご夫婦です。
きっと彼女は、女性としての視点や子育ての経験をもとに、お客さまにより近い立場から提案ができる設計士であり、職人、現場監督になってくれるのではないでしょうか。
私たちがつくるのは、健康で快適、そして安心して住み継いでいける家。
父から私へ。
私から、スタッフへ。
地域の『家守り』を担う工務店として、つかした建築ではこれから先も、職人の技術とお客さまのための“ひとてま”、そして、その“ひとてま”を惜しまない心を継承していきたいと思います。