『窓』について考えるとき、その役割としてまず思い浮かぶのは、太陽の光や風を取り込んで、明るく気持ちのよい室内環境をつくり出すこと。
そして、もうひとつ大切なのが“視線の検討”です。
これは、わかっているようで意外とできていない家が多いのではないでしょうか?
“視線の検討”にも2種類あって、ひとつは「外からの視線をどう遮るか」ということ。
もうひとつは、「視線の先に何を見せるか」ということです。
庭があるのなら、窓の外にお気に入りのシンボルツリーを見せてもよいでしょう。
紅葉する木ならこれからの季節、赤や黄色に色づく景色を楽しめます。
そのほか、敷地の外の景色を見せるという方法もあります。
たとえば、窓の外にのどかな田園風景が見える場所であれば、夏には鮮やかな緑の風景が、秋には風にたなびく黄金色の稲穂が窓の外に広がり、日々の暮らしと心を潤してくれるでしょう。
このように、遠くの景色を自邸の庭の一部のように取り込む技法を『借景』といいます。
山や湖に囲まれた長浜では、ちょっと視線を伸ばせば豊かな自然があふれています。
この土地ならではの風景を、アートのように飾ってみてはいかがでしょうか?
たとえばこちらのおうちでは、窓から伊吹山を望めるようプランニングしています。
青々とした新緑から、紅葉へ。やがて雪化粧へと姿を変える、滋賀県最高峰の山。
季節ごとに絵画を掛け替えるように、四季折々の表情でさりげなく日常を彩ってくれます。
朝起きてカーテンを開けたとき、目の前に隣家の壁が見えるよりも、ずっとよい1日のスタートが切れそうだと思いませんか?