伊吹山地をはじめとする山々に囲まれた近江盆地。
海と隔てられた内陸の盆地は「乾燥しやすい」といいますが、日本最大の貯水量を持つ琵琶湖を据えた近江盆地は、むしろ湿気が溜まりやすい気候風土です。
住宅にとって湿気は大敵。『カビ』や『腐食』、そして忘れてはならないのが『シロアリ』による被害です。
多湿な環境下にあって、床下の土台や大引きといった構造材がシロアリに食害されるのはめずらしいことではなく、湿度の高い地域ほどシロアリ対策についてもきちんと考えていかなければなりません。
つかした建築では、建物の構造全体に自然由来の『ホウ酸』を噴霧処理しています。
シロアリは、私たちのように代謝機能のある腎臓を持ちません。だから、摂取したホウ酸が体内に蓄積し、やがて死に至ります。
耐性もつきませんから、シロアリにとってホウ酸は脅威そのもの。
一方で、ホウ酸は揮発性がなく家の空気を汚しません。
健康に害がない。これも、つかした建築がホウ酸を使う理由のひとつです。
実は、国内でホウ酸を使用している住宅会社はまだ1割程度。一般的な防蟻処理というと、合成薬剤を指す場合がほとんどです。
しかし、海外での主流はホウ酸。アメリカやEU、カナダなどの諸外国では、合成薬剤には脳や神経の発達、生態系の存続に関わる影響があるとして、木材への使用が規制されています。
合成薬剤の効果は一般的に5年とされていますが、これは人体や環境への影響を考えて5年で自然分解されるようにつくられているから。
その点、ホウ酸は分解されないため、その効果は半永久的に持続します。
日本と比べて海外の木造住宅の耐用年数が長いのは、こうした木材処理の違いもあるのかもしれませんね。
もちろん、万が一のこともありますから、10年保証はついています。再施工すれば、保証期間を延長することも可能。
また、当社が外壁の面材に使用している石膏ボードは鉱物が原料なので、合板と違いシロアリに食われる心配がありません。
シロアリの侵入経路となる土台には、香り成分に防蟻効果のあるヒノキを採用。大引きを支える床束は鋼製束です。
さらに、城東テクノの基礎パッキンと土台水切りで、湿気を溜め込まない床下環境づくりに配慮しています。
住まいも、そこで暮らす人々も、長く健康でいられることが理想です。
その理想を現実とするためにも、家づくりの際にはデザインだけでなく素材や施工方法にも着目してみてください。