新緑が美しい5月。
新生活も少し落ち着いてくる頃ですが、4月からの環境の変化で、慣れない生活リズムや新しい人間関係にちょっと疲れを感じている方も多いのではないでしょうか。
そんな時、心を解放できる場所としての“家”の存在が、これまで以上に大切になってきます。
普段あまり意識することはありませんが、私たちの心は住まいの環境から、日々大きな影響を受けています。職場や学校でのプレッシャーにさらされた後、帰宅した瞬間に感じる安堵感。それは単なる物理的な休息以上の、心の回復をもたらすものです。
つかした建築では、そんな“心のリセット”が自然と行われる住まいづくりを心がけています。
まず、自然素材は私たちの心に深く働きかけます。無垢材から漂う森の香りには、自律神経のバランスを整え、ストレスホルモンのひとつであるコルチゾールの分泌を抑える効果があるとされています。
また、目に見えるものだけでなく、感じるものも大切です。漆喰の壁が持つ独特の質感。無垢材の手触り。そういったものに、ホッと癒される感覚。
さらに、無垢材の木目や塗り壁の仕上げ面が持つ“不均一さ”は、『1/fゆらぎ』といって人工的なものにはない心地よさや安らぎを与えてくれます。完璧に整えられた環境よりも、どこか不規則な自然の揺らぎがある空間の方が、私たちの脳は心地よさを感じるようにできています。
また、自然素材の空間で過ごすことで、目には見えない変化も起きています。
呼吸が深くなり、肩の力が抜け、表情がやわらかくなる。家族との会話が自然と増えていく。そんな小さな積み重ねが、心の健康につながっていきます。
長浜の四季折々の景色を眺めながら、自然素材に囲まれた空間で過ごす時間。それは日々の疲れを癒す休息の時間でもあり、心の回復力『レジリエンス』を高める時間でもあります。
明日への活力を養い、本来の自分を取り戻せる場所。それが理想の住まいの姿ではないでしょうか。
新緑の季節。窓の向こうに広がる緑と、室内の木の温もりを感じながら、深呼吸をしてみてください。一日の緊張から解き放たれ、また新たな明日への一歩を踏み出せるはずです。