オリンピック需要に始まり、コロナ禍に端を発するウッドショック、ロシアのウクライナ侵攻と、不安定な社会情勢が続く中、建築費は高騰する一方です。
木材やガルバリウム鋼板、電線の材料である銅や配管資材の塩化ビニル。
給湯器をはじめとする住宅設備も供給が不足し、追い打ちをかけるように電気やガソリンなどのエネルギー。
止まらない値上げ。
「建築費が上がっているから、今はやめておこう」
「あとどれくらい待てば建築費は下がるんだろう」
「今よりもっと上がることもあるのかな」
そんなふうに、“家の建てどき”がわからなくなっている人も多いのではないでしょうか。
おそらく、建築費の高騰は今後もしばらく続くでしょう。
実際、今月に入ってからも建材や住宅設備、家の基礎となる生コンが値上がりしています。
数か月後、あるいは数年後。価格高騰が一旦落ち着くことはあったとしても、一度上がった物価はすぐにはもとに戻りません。
物価が下がるのを待っていれば、今度は住宅ローンの心配が出てきます。
今でこそ金融緩和による低金利が続いていますが、“インフレを抑制するためには金利を上げる”というのは、もはや定説です。
来年には金利が上がるかもしれないし、まだ上がらないかもしれない。先のことは、だれにもわかりません。
さらにいうと、建築費が上がっても銀行の融資基準は変わっていないので、今後は住宅ローンを借りられない人も出てくると考えられます。
また、光熱費の高騰が落ち着く目途が立っていないという点も、家づくりの時期を考えるうえでのポイントとなります。
築年数の古い家や賃貸にお住まいの方は、今後も夏や冬など冷暖房の季節になるたびに大きな出費に悩まされることになるでしょう。
光熱費などのランニングコストは、家計を大きく左右します。省エネ住宅に住み替えるのであれば、少しでもタイミングは早いほうがよいのではないでしょうか?
この数年間「いつ建てよう」「今じゃない」と様子を見ていた人たちが、今になって「あのとき建てておけば」と後悔している声が聞こえてきます。
住宅ローンの金利も物価の上昇も、先を見通すことはできません。
だからこそ、マイホームで幸せに暮らす未来を思い浮かべながら「建てたいとき、建てられるときに建てる」。
これが、今できるもっともよい選択ではないのでしょうか。