残暑が残るなか、朝晩の涼しさに少しずつ秋を感じられるようになりました。
これから秋が深まり空気が乾燥し始めると、無垢の床はためこんでいた湿気を吐き出し、収縮を始めます。
湿気を吸い込むときには膨張し、湿気を吐き出すときには収縮する。
こうした無垢の特性を知っておくだけで、日々のお手入れのプレッシャーから解放されますよ。
冬に近づき、無垢の床が収縮し始めると、床板と床板に少しずつ隙間ができてきます。
すると、その隙間に詰まったゴミやほこりが目につくようになります。
よく、「無垢床の隙間のゴミは爪楊枝でかきだせばいい」と聞きますが、家じゅうを爪楊枝で掃除してまわるのは、ちょっと大変ではないですか?
まずは無垢板の隙間にゴミやほこりが詰まらないよう、小まめに掃除機やモップをかけてあげましょう。
とにかく、ゴミやほこりを隙間に残さないことが大切ですよ。
掃除機は、床板の隙間方向に沿ってかけます。
ほこりは部屋の隅にたまりやすいため、壁際や四隅、家具の隙間にはとくに気を配ってくださいね。
「忙しくて、毎日の掃除機がけは難しい」ということなら、ロボット掃除機を使ってみるのもよいでしょう。
フローリングワイパーやモップを使う場合には、薬剤を含まないものを。
薬剤が染み込んでしまうと板が変色したり、かえってほこりを吸着してしまうこともありますので、ご注意を。
水拭きは基本不要ですが、「どうしても」という場合には濡らした雑巾を固く絞り、拭いたあとは風を入れるなどして、早めに床を乾燥させるようにしてください。
無垢の床だからといって、特別なことは必要ありません。
むしろ、毎日の掃除機がけをしながら、床に小さなキズができたときのことが思い出されたり、ときを重ねて生まれた無垢の色味や風合いにふと気づく瞬間があったり。
日々の暮らしのなかに、そんな小さな幸せを感じる時間が増えるかもしれませんよ。