ここ数年、自然をイメージした色やデザイン、素材がインテリアのトレンドに上がっているそうですね。
ナチュラルカラーにもう少し深みを加えたアースカラーや、植物をモチーフにしたボタニカルデザイン。
天然木やラタンなどの素材を使った、質感のある家具も人気です。
こうして考えると、無垢や漆喰などの自然素材でつくられたつかした建築の家は、現代のトレンドにかなりマッチしているといえそうです。
しかし、個人的には住宅のトレンドなど追う必要はないと思っています。
天然素材が流行っているから無垢を使うのではなく、住宅の本来あるべき姿としてこれらの素材を使う。
自然素材を使った家づくりを一過性の流行りで終わらせるのではなく、定着していくことが大切だと考えています。
これから家を建てる皆さんは、家にどのようなデザインを求めますか?
生活の拠点となる場所であり、これから何十年という長い時間を家族とともに過ごす場所です。もっとも大切なのは「愛着が持てるデザインであること」ではないでしょうか。
合板フローリングやビニールクロスでは、いくら色柄を真似てみても質感までは真似できません。
経年によって生まれる味わい深さも同様で、結局のところ本物の自然素材を使うことでしか、ときを重ねながら愛着がわくデザインは表現できないるのです。
もうひとつ、家をデザインするうえで大切なのが「使いやすさ」。
たとえば、何十年も前に発売された北欧デザインの椅子には、今もなお愛され続けている名作があります。
機能美を追求したシンプルなデザインと無垢の質感は、いつの時代にも洗練されて映るもの。
つかした建築の家も、そんな飾らないデザインでありたいと思っています。
もちろん、飽きない程度にトレンドを取り入れることは、悪いことではありません。
今はベースとなるアースカラーに、ルビーやエメラルドといったジュエリーカラーで遊び心を取り入れるのが海外を中心に人気だそうですが、必ずしも壁一面をグリーンにするとか、鮮やかなレッドやピンクのファブリックで統一するといった大胆なことをする必要はありません。
こんなふうにカラフルな色をさりげなく取り入れてみることで、長く愛着をもてるアクセントになりますよ。
主張の強い色やデザインは、飽きがきても替えのきく”ポイント使い”で楽しみましょう。