厳しい暑さに、外に出ればたちまち汗が噴き出します。
しかし、汗のかき方にも個人差があって、Tシャツの色が変わるほど全身汗だくになる人もいれば、あまり汗をかかないという人もいますよね。そういう汗をかかない人ほど気をつけてほしいのが『熱中症』です。
よく「湯冷めする」といいますが、お風呂上りに体が濡れたままでいると、水分が蒸発する際の気化熱によって体温も一緒に下がります。汗をかくのも同じ原理で、体が暑さに反応し、気化熱によって体温を下げようと汗をかき、蒸発するのを繰り返します。
汗をかかない人は体温調節がうまくできていないので、熱が体内にこもった状態になり、熱中症のリスクが高まります。めまいや立ちくらみ、頭痛、倦怠感などの症状のほか、悪化すれば意識障害を引き起こすこともありますから、注意しましょう。
総務省消防庁が発表しているデータによると、ここ数年で搬送された熱中症患者のうち、住居内(庭を含む)で発症した人は全体の約4割。意外かもしれませんが、屋外にいるときや野外で活動しているとき以上に、自宅で多く発生しています。
だから、出かけるときだけでなく、家のなかでもしっかりと熱中症対策を講じる必要があります。
まず、エアコンや扇風機は電気代を気にせず使うこと。
冷房効率は使い方次第で良くも悪くもなりますが、効率を上げるためには風向きを上に。そうすると、冷たい空気が自然と下に降りてきます。
間取りによっては難しいこともありますが、間仕切りの少ない比較的オープンな構造であれば、2階のホールにエアコンを設置して、リビング階段や吹き抜けから1階まで冷気を下ろしてあげれば、家全体を一定の温度に保つことも可能になります。このとき、エアコンの設定は『自動運転』にしておくと、室内が早く冷えるだけでなく、電力の消費も抑えられますよ。
電化製品はオンオフ時にいちばん電力を消費するので、つけっぱなしがベスト。必要に応じて扇風機やサーキュレーターを併用し、冷気を意図的に循環させてあげましょう。
ただし、エアコン効率を最大限にアップするためには、家の性能がよくなくてはなりません。
つかした建築では冬の寒さを解消するだけでなく、夏には夏の快適性を追求した家づくりを重点的に行っています。
まず1つ目に、超高気密であること。夏は魔法瓶のようにエアコンで冷やされた空気の流出を抑え、快適な室内温度を長く保ちます。少ないエネルギーで部屋を冷やせるので、エアコンをつけっぱなしでも電気代が気になりません。
2つ目は、木質繊維断熱材『シュタイコ』による断熱性。
これは最高気温が35℃になる猛暑日、屋根の温度が80℃のときの屋根裏部屋の温度変化を表したグラフです。
屋根の断熱にシュタイコを使った場合、暑くなりやすい屋根裏部屋でも24時間20℃前後の室温を保てます。
エアコン効率が格段によくなるので、電気代を気にしてエアコンを小まめに切ったりタイマーにして使ったりする必要ありません。
超高気密高断熱の家でエアコンを正しく使って、残りの夏を健康に過ごしてください!